本編04.自覚、キス。

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  ──それを破って。 「……いるんだろ、姉貴」 振り返った蒼と目が合った。 「き、気づいてたの?」 「玄関見れば姉貴の靴があるのはすぐ分かるし。部屋から出た時にチラッと見えてたから、ここにいるのは知ってた」 バレてたんだ。 こうなると、隠れている自分の姿が恥ずかしい事この上ない。 慌てて階段の下から抜け出し、すくっと立ち上がった。 「なんで隠れたりしてたんだ?」 「いや……その。お邪魔かなーなんて」 ただの友達だと言われたらそれまでだけど。 蒼は気軽に女の子を連れ込むタイプではないと知っているだけに、彼女が蒼にとって特別なように見えたんだもの。 あれ? なんか……そう思ったら、胸がモヤモヤしてきた。  
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