本編04.自覚、キス。

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  「……もしかして姉貴、嫉妬してんの?」 「なっ! そ、そんな訳ないでしょう?!」 口ではそう言い返しながらも、バクバクと心臓はいやに速かった。 弟である蒼に嫉妬だなんて。 絶対に無い。いや、あり得ない! 「そうか? じゃあ俺が姉貴以外の女を抱き締めてたら、どう思う?」 「それ、は……」 核心をつくような物言いで問われて、言い淀む。 正直に言えば、そんなの想像しただけで嫌な気分になった。 ムカムカとした不快感が胸元で渦巻く。 でもそれを口にすれば、私は蒼の言い分を認めることになる。 だから、唇をつぐむしか無かった。 それは私の中に未だある、姉としての変なプライドから来るものだったのかもしれない。  
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