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男から強引に迫られるという久しぶりの構図に。
柄にもなく胸がドキドキした。
ううん。違う。
相手が蒼だからこそ。
こんなにドキドキするのかもしれない。
「姉貴は俺に嫉妬してるよ」
「な、なんでそんなにハッキリ断言出来るのよ?」
「俺は知ってるから。姉貴が嘘をつくとき、下唇を噛み締めるクセ」
「……っ!」
するりと唇に触れる親指。
扇情的な仕草でリップラインをなぞられて、ゾクゾクと肌があわ立った。
「姉貴さ……今どんな顔して俺を誘ってるか、分かってんの?」
「さ、誘ってなんか……!」
「それもウソ。つーか、もう黙って」
「んっ……」
吐息が唇を撫でたかと思うと、塞がれる唇。
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