本編04.自覚、キス。

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  ──チュク。 舌と舌が触れて漏れる水音。 けれど、そんな音も今は興奮を煽るだけ。 「はふ……んっ、ふぅ」 恥ずかしいなんていう感覚も飛び越えて、私は夢中で蒼の舌に自らの舌を絡める。 唾液が口端から零れ、首筋を伝って流れ落ちようとも。 構わずキスを続けていた。 こんなに気持ちのいいキスはいつ以来だろう? それこそ、初恋だった高校時代の先輩以来だろうか。 ……ううん。それ以上かもしれない。 「蒼……んんっ」 不快な気持ちを抱くどころか。 こんなに愛しくて。 もっと欲しくて、堪らない。 それが何を意味するのか。 心よりも身体が先に答えを教えてくれたような……そんな気分だった。  
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