本編04.自覚、キス。

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  「蒼……私」 「ただいまー」 「お、お母さん!?」 胸の内を伝えようと意気込んだ瞬間。 ガチャリと扉が開かれて、間の抜けたお母さんの声が割って入ってきた。 な、なんてタイミングの悪い……。 「あら、なんでそんなに驚いてるの?」 「えっ。あ、や、なんでもないわよ」 まさかこんな場所で弟とキスしてました、なんて。 シャレにもならない。 「お帰り、母さん」 「ただいま。あら? お客さんの子は帰ったのね」 「うん。まぁ……家にはついでに寄ってくれたようなもんだし」 ニヤついたお母さんの表情から目を背け、言葉を濁す蒼。  
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