本編04.自覚、キス。

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  そりゃ、そうだ。 あんな顔をしている時のお母さんって、からかいモード発動中だから。 大方、蒼の彼女だとでも思っているのだろう。 「そうなの、残念ねぇ。おやつのひとつも持って行こうかと思ってたのに」 「あのな……母さん。まぁいいや」 ガシガシと頭を手で掻き、蒼は続けようとした言葉を飲み込む。 言い訳すればするほど、面倒事が増えるだけだと悟ったのかもしれない。 「そんなんより、ちょっと俺姉貴と出かける用事があるから。晩飯はいらない」 「えっ!?」 うやむやになったからには仕方ないと、自分の部屋に戻ろうとしていた私の腕を掴み、いきなりそんなことを言い出す蒼に驚く。  
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