本編04.自覚、キス。

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  「でも今日はカレー」 「ごめん。母さん!」 「ちょ、ちょっと。蒼?!」 「姉貴は黙って付いてきて!」 私の制止も無視して、蒼の強引な手に引っ張られるまま付いていくしか無い。 「お母さんに変に思われたらどうすんのよ?!」 「……んなの、気にしてられっか」 このバカ弟は。 周りが全然見えていない。 恋をするとその人以外見えなくなる。なんてよく言うけれど。 蒼の場合はかなり重傷のようだ。 ──バタンッ。 「全く。急にどうしたのかしらねぇ」 二人が出ていった玄関の扉を背後に。 母の呆れた呟きは誰の耳にも届くことはなかったのだった。  
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