本編01.悲しき女の性

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  あの頃は良かったなぁ。 先輩と手を繋げるだけでも幸せで。 初キスも、初Hも。 最初は恐くて仕方なかったけど、先輩と少しずつ近づいていけるのが嬉しかった。 「ふふっ……それが今じゃ、こんな(なり)だもんねぇー。笑っちゃうよ」 あまりにも自分が情けなさすぎて笑えてくる。 このまま誰からも告白されず、男から相手にもされなくなっていくのかな。 「そんらの……ぜったい、やらのにぃ」 ダメだ。だんだん呂律が回らなくなってきた。 それに身体がふわふわ浮いてるみたいに気持ちいー。 「……ちょっと、梓。大丈夫?」 「ふぇ?」  
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