本編05.越える境界線

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  「……で、なんでココなの?」 「誰にも邪魔されずにゆっくり話が出来るだろ」 いや、確かに邪魔はされないだろうけど。 だからって。 「なんでラブホ?」 家から連れ出した蒼が向かったのは、何故かこの前も利用したあのラブホテル。 薄暗い室内で灯される淡いランプの照明が、蒼の整った横顔を照らす。 「なんでもいいだろ。それよりも話の続き」 「あのね…蒼、もう少し冷静にならないと。私達、姉弟なんだし」 「分かってるよ! 分かってるけど……姉貴のことになると、冷静さも忘れるんだよ」  
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