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「あ、蒼君? 私亜美だけど……今梓と合コンに来てて……うん、そうなのよー」
あおいくん? 蒼って……もしかして。
酒で頭が働かない私を尻目に、亜美がやり取りしているのを見ている事しか出来ない。
「じゃあお迎えよろしくね。駅前ビル近くの店だから」
「ちょ、ちょっと! 亜美! 今誰に電話してたの?!」
通話を切るや否や、私は掴みかかる勢いで亜美に詰め寄る。
「誰って、決まってるでしょ。アンタの弟君」
「げっ……よりによって」
折角気持ちよく酔っていたというのに。
蒼が来ると知ってうなだれる。
心なしか吐き気まで催してきた。
「げって……アンタねぇ、何かといっつも蒼君にお世話になってるくせに」
「だからこそ、嫌なんじゃない」
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