本編01.悲しき女の性

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  「あ、(あおい)君? 私亜美だけど……今梓と合コンに来てて……うん、そうなのよー」 あおいくん? 蒼って……もしかして。 酒で頭が働かない私を尻目に、亜美がやり取りしているのを見ている事しか出来ない。 「じゃあお迎えよろしくね。駅前ビル近くの店だから」 「ちょ、ちょっと! 亜美! 今誰に電話してたの?!」 通話を切るや否や、私は掴みかかる勢いで亜美に詰め寄る。 「誰って、決まってるでしょ。アンタの弟君(おとうとくん)」 「げっ……よりによって」 折角気持ちよく酔っていたというのに。 蒼が来ると知ってうなだれる。 心なしか吐き気まで催してきた。 「げって……アンタねぇ、何かといっつも蒼君にお世話になってるくせに」 「だからこそ、嫌なんじゃない」  
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