4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
『お呼びでしょうか。旦那様』
扉越しに声をかけて室内へと入る。
「遅い!! ここまで何分かかっている⁉︎」
『5分もかかっていないと思いますが……」
「次は3分で来い!いや2分30秒もあればお前のトロイ足でも辿り着くだろ! モタモタするな!」
そこまで時間制限を設けるなら、自分が会いに来ればいいのに。
「服を脱げ」
またか…
「なんだその態度は?そんな態度をとるなら、
浮気をして二度と帰ってこないぞ! 私に見捨てられたら、お前一人で生きていけると思っているのか?」
どうぞ、と言葉に出かかったのをぐっとこらえる。
以前言った時には、殴られたからだ。
無言を貫くに限る。
強引にベッドに押し倒され、乱暴に脱がされる。
触らないで!気持ち悪い!
これくらい耐えなければ……
相反する感情で胸が締め付けられる
苦しい
唇を噛み締めすぎて、口内に鉄の味がする。
「夫婦の営みは義務だからな」
まさに獣のような目つきで、夫が覆い被さってくる
私は、ひたすらその時が早く過ぎ去るのを待った。
最初のコメントを投稿しよう!