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『お呼びでしょうか。旦那様』 扉越しに声をかけて室内へと入る。 「遅い!! ここまで何分かかっている⁉︎」 『5分もかかっていないと思いますが……」 「次は3分で来い!いや2分30秒もあればお前のトロイ足でも辿り着くだろ! モタモタするな!」 そこまで時間制限を設けるなら、自分が会いに来ればいいのに。 「服を脱げ」 またか… 「なんだその態度は?そんな態度をとるなら、 浮気をして二度と帰ってこないぞ! 私に見捨てられたら、お前一人で生きていけると思っているのか?」 どうぞ、と言葉に出かかったのをぐっとこらえる。 以前言った時には、殴られたからだ。 無言を貫くに限る。 強引にベッドに押し倒され、乱暴に脱がされる。 触らないで!気持ち悪い! これくらい耐えなければ…… 相反する感情で胸が締め付けられる 苦しい 唇を噛み締めすぎて、口内に鉄の味がする。 「夫婦の営みは義務だからな」 まさに獣のような目つきで、夫が覆い被さってくる 私は、ひたすらその時が早く過ぎ去るのを待った。
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