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さて 彼女のクラスの一人一人を
髑髏男は尋ね始めた
最も正常そうな野郎から順番に!
初めに訪れた
学級委員長のTは
お寺の息子で
高熱を出しもがき苦しんでいた
ひっきりなしに涙を流し
「僕が変わって死ねば良かった」
「僕は人間じゃない」
「僕はもう生きる資格はない」
南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏・・
と うわごとのように
唱え続けている
髑髏男は彼の眉間に
静かに手を置き
「解脱!」
と告げ その場を去った
次に訪れた先は
特別学級に所属し
帰りのホームルームだけ
自分の所属する学級に戻る
Nという発育障害のある
痩せて小さな女の子だ
彼女は家に戻ってから
泣き続けて 夜には卒倒し
高熱を出して悶え苦しみ
親は かかりつけの医師を呼ぶも
医師が言うには
コレは多分
何か相当なショックを受けて
どうにも受け止められず
一時的にパニックに陥っている
可能性が高い
穏やかな時が
全てを解決してくれるかもしれない
明日から当分の間
学校を休ませてください
本人が学校へ行きたいと言うまで
と言う
非常に的を得たアドバイスだった
親も それを聞き
深く納得し
医師の指示に従うことにした
髑髏男は この子の眉間に
手をかざし
「解脱!」
と 告げた
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