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目玉
「暗いわ~。みんな、大丈夫かしら~?電波繋がらないし、心配だわ~」
高橋ヨウコ、23歳。独身。
校長先生の娘である。
1人きりだったが、居残り組の男子がついてきてくれた。
「先生、俺のスマホも駄目です。キョウマから、借りた懐中電灯を使いましょう」
カルマ君という、男子生徒が、職員室を照らす。
「キョウマ君が言うには、もしかしたら、ワームは、虫のように、光りに群がる可能性があると言ってたから、緊急の時に使いましょう〜!!」
「シッ!!先生、声デカいです」
「ご、ごめんなさい…」
ソロリと、職員室に入る。
かなり、荒らされていた。窓が割れている。
「父さん……大丈夫かしら~?」
「俺たちが生き残るためには、キョウマの作戦に従いましょう?」
「えぇ……そうね~」
2人で、マイクを探す。
職員室は、グシャグシャだ。
探すのに大変だった。
数分後、マイクを見つけた。
だが、駄目だった。
機械そのものが壊れていた。
「困ったわ~。これじゃ駄目ね~」
カルマ君が、ハッ!!と閃く。
「先生、放送室ですよ。あれならなんとか出来るかもしれません」
「そうね~!!あれならなんとか出来るかも〜!!」
そして、ソロリソロリと職員室を出る。
放送室は、すぐ目の前だ。
2人で向かうと、突然、なにか現れた!!
「うわ〜!!!!」
「きゃぁ~!!!!」
「先生!!私ですよ!!高嶺ナオです!!静かにしてください!!」
「えっと、カルマだっけ?お前も静かにしろ!!」
数分後、ナオとタキヤの説明を聞いて今の状況を知る。
「休眠ね~。分かったわ~。良かったわ~。音をたてなくて」
「そうですね。キョウマの説明が合ってたら、大惨事でしたね」
「私達も、間に合って良かったです!!!ね、タキヤ君?」
「あ、あぁ。そ、そうだね」
「キョウマ君を迎えにいきましょう〜」
俺は言う。
「いや。あいつは、構うなと言ってました。大丈夫ですよ。あいつは、しぶといから」
「それでも、教師よ~?助けないと!!」
ドスン!!ドスン!!!!
「な、なに?この音?」
「外からだ!!」
4人で、外を見る。
辺り真っ暗だ。
カルマが、懐中電灯をつけ、辺りを照らす。
「…………ねぇ?こんな場所に壁なんてあったかしら~?」
「「「ないですよ!!!!」」」
ブフウ!!
生暖かい風が吹く。
カルマが、壁を照らす。
すると、大きな目玉が、バチッとあく。
「「「「ひっ!?」」」」
校舎3階建てと、同じ位の、人型の化け物がこちらを見てる。
カルマは、悲鳴をあげて、逃げる。
太い触手が、彼目がけて、ビュルルと伸びる。
「うわぁ~!?た、たすけて!!嫌だ!!死にたくない!!やめ……!!」
ボキボキ、バリバリ。
カルマは、喰われた。
動いたら、死ぬ。
俺は、動かない。
「ゆっくり逃げましょう?」
3人でゆっくりと逃げる。
化け物は、カルマを食べて、まだ、満足してないのか、俺たちを探してるらしい。大きな目玉1つが、ギョロギョロ、動く。
パキン!!
「「「あっ」」」
粉々のガラスを、踏んでしまった。
触手が入ってきた。
「クソが。終わりか………」
「タキヤ君、私、結構あなたの事、タイプだったよ?こんな終わり、嫌だな……」
「処女のまま死ぬのね~。父さん…ごめんなさい」
ヒュルル〜!!ドーン!!
花火の音だ。
そして、拡声器だろう。
聞き慣れた、声がする。
「オラ!!化け物!!こっち来いや!!!」
ヒュルル〜!!ドーン!!
キョウマの声だ!!
「3人とも、早く逃げろ!!!!僕が囮になるから!!!!死ぬなんて許さない!!!!」
シャァ!!フシャ〜!!
化け物が、キョウマを狙い、追いかけて行く。
ドスン!!ドスン!ドスン…スン……
静かになる。
「2人とも、早く逃げるぞ!!!キョウマが、チャンスをくれた!!!!早く!!!!」
「えっと、そうね!先生早く!!」
「わ、分かったわ~!!」
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