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いい雰囲気と見えざるモノ
「タキヤ君、キョウマ君、残念だったね?」
「寝なよ。ナオ」
「あなたが、酷く傷ついてるなか、寝れないよ?」
「ありがとう」
「私、キョウマ君と、真剣に話し合いをするべきだったわ。悪童なのに、自分の知識と、ワーム達の生態を見抜いて、私達を救おうとして、尽力してくれた。私、謝りたいわ」
「仕方ないよ。あいつ、俺のためなら、どんな事もするからね。あいつは、義理がたいんだ。ナオ。あいつのために泣いてくれてありがとう」
「いいよ。彼がいなかったら、私達もワームになってたんだから」
ナオが、俺を抱きしめる。
お互いの顔が近い。
キョウマが、教えてくれた、吊り橋効果かな?
「ナオ。俺が好みって本当?」
「えっと。も、もう忘れて!!死ぬ間際だったから、そう言ったの!!想いを伝えないで死ぬなんて嫌だったから!!」
そして、お互い、いい雰囲気になり、顔を近づける。
バン!バン!!バン!!!
科学室の窓に、なにか、叩きつける音がした。
みんな、ガバっと起きて、火炎放射器を構える。
「ワームかしら~?それとも、あの怪物?」
先生がつぶやく。
「知りませんよ!!とりあえず、確認しますか?」
「あいつら、壁登れんの?死にたくないよ~!!」
俺は、音のする方に、火炎放射器を構え、カーテンを開ける。
「お~!!。タキヤ!!!!また、会えたな!!!!」
それは、齋藤キョウマだった!!
泥まみれだが、キョウマの声と顔だ!
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