突然の告白、そして別離。

1/3
前へ
/259ページ
次へ

突然の告白、そして別離。

「え……? あき、と……?」  びっくりして、まじまじと晃人を見返す。  その顔が、たちまち真っ赤に染まって行って……。 「ち――っ、違うからな!? 今のは昔の話で、今の話じゃないぞ!? おっ、俺が今でもおまえのこと好きだと思ったら、大間違いだからなっ!?」  赤い顔のまま言い放つと、晃人はぷいっと横を向いてしまった。 「……でも……今のことじゃないにしても……。晃人って、小さい頃、私のこと好きだったんだ?」 「う――っ。……ま……まあな。昔だけどな。ホントにホントの昔だけどなっ!」 「……へぇ~……」  顔をそむけたままの晃人を、私はぼけ~っと、しばらくの間眺め続けた。  十秒……二十秒……三十秒くらい経った頃、 「なんだよ!? 言いたいことあるなら言えよ!!」  無言の状態に耐えられなくなったのか、晃人が大声を上げた。 「いや……言いたいことってゆーか、訊きたいことってゆーか……」 「訊きたいこと?」 「……うん。晃人って、私のどこが好きだったの?」 「ど――っ、どこがって……」  『そんなこと急に訊かれても』。  一瞬、そう言いたげな顔をして……それでも晃人は、照れ臭そうに答えてくれた。 「おまえは覚えてないんだろうけど……。おまえさ、ガキの頃はすっげー大人しくて、泣き虫でさ。いっつも俺の後をついて来て……めちゃめちゃ可愛かったんだぜ?」 「……大人しい? 泣き虫?……何それ。誰の話?」 「だからおまえだよ! ガキん時のおまえ!」  ……嘘。  マジで私の話なの?
/259ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加