真実を告げる時

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真実を告げる時

「サクラ様っ? いかがなされました、サクラ様っ? 私の声が聞こえま――」 「だーいじょーぶ! ちゃんと聞こえてるってば、セバスチャン。今、どーゆー風に言えば、ちゃんと伝わるかなぁ~って、考えてただけだから」  ……そう。  問題はそれ。それなのよ。  いったい、何から話せばいいのか……。  私だって、神様がしてくれた話を、まだ完全に理解してるワケじゃないのに。  昔は国王様も神様と同じ場所にいた、とか何とか……あの辺の話は、特にわかんないしなぁ……。  ……仕方ない。  その話をみんなにするのは、国王様に確認してみてからってことにして。  とりあえずは、桜さんは私がいた世界へ飛ばされた――って話をしよう。 「えっと……あのね。やっぱり、さく――っ、……姫様は、私がいた世界へ飛ばされちゃったみたいなの。神様がそう言ってた」 「ピャ――ッ!?……ひ、ひひっ、姫様がっ!? サクラ様の世界へ、ですと――!?」 「……まさか、本当にそんなことが……」  セバスチャンも王子も、そう言ったきり絶句してしまった。  他の世界に行っちゃったんじゃー、手も足も出せないもんね。  途方に暮れて、頭真っ白になっちゃっても無理ないか……。
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