人語を解する鳥

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「姫様ッ!! その御髪はいかがなされました!?……もしや……もしや野盗めらに……!? あ~~~っ!! だとしましたら、私はどうすればよいのでしょう~~~っ? 国王様に、何とご報告したら……。あぁ~~~っ、それにしてもおいたわしや姫様ーーーっ!! そのようなみすぼらしいお姿にされた上、御自慢の御髪まで切られてしまうとはーーーっ!!」  鳥さんは飛び回るのをやめると、翼で顔を覆い、しきりに(なげ)き始めた。  ……どうしよう。  なんか、めっちゃ誤解されてるみたいだけど……。  それにさっき、『みすぼらしいお姿』とかって言ってなかった?  私は顔を下に向け、自分の服装を改めて確認してみた。  ――いつもと変わらない、高校の制服。  ……ってことは、この世界の人達から見たら、この格好は『みすぼらしい』って思っちゃうような服装なんだ?  むぅぅ……。失礼しちゃうなー。  セーラーとブレザーを合わせたようなデザインで、結構可愛いと思うんだけど……。  ――っと、いや。そんなことより。  今は、この鳥さんの誤解を解かなきゃだった。 「あのね、鳥さん。この服は『制服』って言って、みすぼらしい格好でも何でもないの。ただの学校指定の制服。えっと、勉強するための服……って言ったらいいのかな? とにかく、めちゃめちゃまともな服装だから、安心して? で、私の髪は最初からこの長さだし、誰に切られたワケでもな――」  ……ん?  そー言えば私、最初から普通に鳥さんに話しかけてるけど……鳥ってそもそも、話せるんだっけ?  ……あれ?   えっと、つまり……どーゆーこと……?
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