人語を解する鳥

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「……っえぇえーーーーーッ!? 鳥が人の言葉を話してるーーーーーッ!?」  我ながら『今更?』って思うけど。  鳥が人の言葉を理解し、ちゃんと会話出来るってことに心底驚いて、私は大声を上げた。 「ピッ!?……ひ、姫様……? 『とり』とは、何のことでございますかな?」  ギョッとしたように翼を広げた後、またしても小首をかしげるようなしぐさで、鳥さんが私を見つめて……。  最初は、大きさにひたすらびっくりして、じっくり観察する余裕もなかったけど……。  こうして改めて、鳥さんのこと見てみると、めっちゃめちゃ可愛いんだよなぁ。  口調がお爺さんっぽいからギャップもあるけど、慣れて来ると、それも含めて可愛い♪ なーんて思えちゃうんだから、不思議よねぇ……。  それにこの鳥さん、私の世界のあの……え~っと……う~んと…………何だっけ?  ……ほら。ほっぺにまーるくオレンジ色のチーク入れたみたいな、模様……なのかな? とにかくそんなのがついてて、頭の羽がぴょんって立ってて。  う~ん……何だったかなぁ? 何て名前だったっけ?  小さい頃、友達が飼ってたのを、見せてもらったことあったんだけどなぁ……。  ……う~んと、確か……え~っと……え~っと……。  ――あっ、そうだ!  オカメインコ!! 「そうそう! オカメちゃんだよ、オカメちゃん!」  うわ~~~っ、似てる~~~っ!!  大きさと、丸々した着ぐるみっぽい体つきさえ除いたら、オカメインコそのものだよ!! 「ピ…? オカメ……ちゃん?」  くりくりな瞳で、更に首を横に傾ける鳥さん。  きゃーーーっ、めっちゃ可愛いっ!! 可愛過ぎるっ!!  ……あーもー、どーしよー……。  抱き締めたくて堪んないっ!! 「ひ……姫様……?」  両手を上げながらじりじりと距離を(ちぢ)める私に、鳥さんは得体(えたい)の知れない危険を察知したのかも知れない。  とたんにキョロキョロと辺りを見回し、逃れる場所を探し始めたようだった。
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