寂しさよりも

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寂しさよりも

 私は大きく深呼吸すると、まっすぐにカイルさんを見つめた。  そして、カイルさんがいない間にあったこと――神様に会って、事実を知らされたこと――全て話した。  途中、何度も言葉に詰まったり、上手くまとめられなくて、話があっちこっち飛んだりしちゃったけど。  それでもカイルさんは、辛抱(しんぼう)強く、ところどころ質問を挟んだりしながら、真剣に聞いてくれた。  カイルさんにとっては、すごくショックな内容だったと思うのに……。  最後まで一切取り乱すことなく、聞いていてくれた。 「ごめんね、カイルさん。カイルさんは桜さんのために、一生懸命頑張って、姫専属の護衛になったのに。……なのに、私なんかが本当の姫だったなんて……」 「そんな――! どうしてサクラさ――いえ、姫様が謝罪なさるのですか?……確かに、私はあのお方をお守りしたいと思い、護衛になれるよう努力しました。しかしそれは、あのお方がいつも孤独で……お寂しそうに見えたからです。あのお方が、本来いるべき場所に戻られ、幸せにお過ごしでいらっしゃるのなら……それが何よりではありませんか」 「それはそうだけど……。でも、ホントにそれでいいの? 桜さんのこと、好きだったんでしょう?……もう二度と、会えなくなっちゃうかもしれないんだよ? 神様にお願いしたって、聞いてくれるとは限らないし……。聞いてくれたとしても、神様の力自体、かなり弱くなってるみたいだから……」  ……もう絶対、会えないかもしれないんだよ……?
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