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え……えぇえーーーッ!?
……ずっと?
ずっとってことは……王子にプロポーズされてた時も……カイルさんに忠誠の誓いがどーのって言われてた時も……ずーっと、この木の上で見てた……ってこと!?
……ぅきゃ~~~っ!
はっ、恥ずかし過ぎる……っ!
「もぉっ! セバスチャンっ!?」
「ピャ!――も、申し訳ございませんっ! 申し訳ございません申し訳ございませんっ! お許しください、姫様ぁ~~~~~っ!」
照れ隠しに怒ってみせると、セバスチャンは翼で頭を抱えるようにし、ひたすら謝り続けた。
「もうっ、バカ! セバスチャンのバカバカっ! 次同じことしたら、絶対許さないんだからねっ?」
「はいっ、致しません! 二度と致しませんので、どうかご容赦を~~~っ!」
「……う~……。ホントにしょーがないなぁ……。ねっ、カイルさん?」
同意を求めて振り向く。
カイルさんはまだ片膝をつき、うつむいたまま固まっていた。
「カイルさん!?……カイルさん大丈夫っ!? しっかりしてっ!」
片手を肩に乗せ、軽く揺さぶる。
それでも反応がなかったので、今度は両手で肩をがっしりと掴み、更に大きく揺さぶった。
「ねえっ、カイルさん! カイルさんってば!」
……ヤバイ。全然反応がない。
なんだか蒼い顔してるし……完全に心がどっか行っちゃってるよ……。
「セバスチャン、どーしよー!? カイルさんが――カイルさんがっ!」
「姫様、ご心配には及びません。この爺めにお任せくださいませ」
セバスチャンは自信たっぷりに胸を張り、私にうなずいてみせた。
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