〝抱き締めたい〟衝動を堪えて

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「……そ、そっか……百歳。……すごいね……」  私はちょっとげんなりして、思わず遠くを眺めてしまった。  ……でも、やっぱお爺さんだったもんね。  よかったぁ~、見た目に騙されなくて……。 「私の歳などどうでもよいのです! 野盗めらに襲われたのではないとしましたら、そのお姿と御髪は、いったい……?」 「えっ?……え、えーっと……だから、そのぉ~……」  あーもー、どーしよー!? 『姫様』じゃないって言ってんのに、全然信じてもらえない!  ……ここはいったん、『姫様』のフリ……するしかないのかなぁ?  でも、いくらなんでも、ずっとフリしていられるワケもないし。バレたら、どーなっちゃうかわかんないし……。  ……まさか処刑とか……されちゃったり……しない、よね……?  ……いや。あり得るかも。  だって『姫様』だよ? 国王の娘ってことじゃない。  国の偉い人の娘さんになりすまして、それでも無事でいられるって思い込めるほど、私はお気楽じゃない!  ……でも、何言ってもこの鳥さん、信じてくれそうもないしなぁ……。  ん~……、どーしたらいーんだろ?
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