本音爆発!

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 ……ああ……言っちゃった……。  『二人とも同じくらい好き』だなんて、気の多い子だと思われちゃったかな……。  でも、今はそれが――私の正直な気持ちなんだもん。どーしよーもないよ。  これで王子の気持ちが冷めちゃったとしても……後悔なんかしない。  私の告白を聞いた後、王子はぽかんと口を開けて……ただじーっと、私の顔を凝視していた。  ああ……また王子ってば、レアな顔さらしちゃって……(って、いや。今は王子のレア顔に、小さな感動覚えてる場合じゃないんだけど)  ……うぅ~ん……。  やっぱり、呆れられちゃったのかなぁ……? 「あの――っ、でもそのっ、好きって言っても、その好きが『恋』ってものなのかどうかは、まだよくわからないんですけどっ。――えぇっと、だから……二人に対する気持ちが『恋』なのか、それとも、どちらかに対する気持ちだけが『恋』なのか……。あるいは、どっちに対しての気持ちも『恋』とは違うものなのかは、自分でもよくわかってなくてっ」  ……そう、これはそう――あれよ。英語で言うところの、『ラブ』か『ライク』かって、そーゆー差とゆーか、違いよ。  私のこの気持ちが『ラブ』なのか『ライク』なのか……それがハッキリわからないってだけで、『好き』って気持ちには変わりないのよ。  ……だから、私のこれからの課題は。 「えっと……お願いですから、もうちょっと待ってください! 今はまだわからなくても、そのうちきっと……その、たぶん……王子への『好き』が恋なのか恋じゃないのか、カイルさんへの『好き』が恋なのか恋じゃないのか……ハッキリさせられる日が来ると思いますから!……いえっ、絶対近いうちに、ハッキリさせますからっ!」  恋(?)の告白するなんて、生まれて初めての経験だったから……私はひたすら恥ずかしくて、いつの間にかうつむいてしまっていた。  ……王子は今、どんな顔して聞いてるんだろ?  まだ、ぽかんとしたまま……なのかな?  とにかく、無言状態が耐えられなくて、更に先を続けた。 「あのっ、だからそれまでは、王子との婚約のお話も――っ」 「ふっ」  ……え?  ――『ふっ』?  吹き出したような気配を感じて顔を上げると。  案の定――王子は(声が漏れないように口元を片手で覆ってはいたけど)くつくつと、さも愉快そうに笑っていた。
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