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御神木が神様?
……あれ? この木……。
この木の形、見覚えある……ような……?
…………え!?
もしかして、これ――!?
「御神木!?」
――そうだ! どーして気付かなかったんだろう?
御神木――御神木の桜の木だ!!
「姫様?……ごしんぼく、とは……?」
鳥さんは木から私へと視線を移し、不思議そうに訊ねた。
「鳥さん、この木――この木って、ずっとここにあった!? 突然現れたりしなかった!?」
「……は?……この木、とは……神様のことでございますか?」
「へ? 神?……神様……って?」
「ですから、この……」
鳥さんは、再び木へと視線を戻した。
「……え、まさか……まさか『神様』って、この桜の木のこと!?」
「さくら? さくらとは、何のことでございます?」
「何って、だから……これ! これよ! この大きな桜の木!!」
私がビシッと桜の木を指差すと、鳥さんは思いきり首をかしげた。
「はて? こちらは神様でございますが……。我がザックス王国を、古来より守護してくださっている、神様でございます」
……神様? この桜の木が?
木が神様って、いったい……。
「……あ、そっか。御神木って意味だよね? 神様を祀る神社の境内にある木だから、御神木……って、そういうことだよね?」
「ごしんぼく?――けいだい?……申し訳ございませんが姫様、爺には、姫様が何をおっしゃりたいのか、さっぱり……」
「だから! この木自体が神様ってワケじゃないんでしょ?――って訊いてるの!……違うよね? この木が神様なんじゃないよね?」
「……いえ。神様でございますが……?」
「――え――」
……ぇええええええっ!?
神様!?
ホントに神様なの、この木っ!?
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