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昼間は夏の到来を本格的に感じる暑さだが夜まで暑さは残っていないある日。
微かに梔子の香りを包みながら窓から入ってくる風
芸人たちの笑い声が漏れるつけっぱなしのテレビ
自転車のブレーキ音が夫の帰宅を知らせる。
「ただいま。玄関の荷物、明日出しとこうか?」
「おかえり。お願いしてもいい?今日行けたらよかったんだけど」
テーブルに散らかった菓子やレトルト食品を片付けながら答える
四つの椅子と二人分の食事、広すぎる食卓を夫と挟むのも4ヶ月目になろうとしていた
「また入りきらなかったんか」
夫がレトルト食品を手に取りながら笑う
「そうなの、いつも買い過ぎちゃって。
ダンボールもいっぱいだから重いと思う。」
携帯に文字を打ち込みながら返事する
息子が好きなものをなるべく選んだつもりだ
元気かなと心配しながら
あまり連絡しすぎると嫌がるかなと気をつけながら
息子もお菓子を受け取って喜ぶ年では無いとわかっているけれど
【元気ですか?お菓子と食べ物送ります。】
【暑くなってきましたが体調崩さないように気をつけてください。また帰ってくる時教えてね。】
本当に届けたいのはこっちだから
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