届けたいのは秘めた想い

遠方letter

　お婆ちゃんへ
　暑中お見舞い申し上げます。
　毎日とても暑いです、お婆ちゃんは大丈夫ですか。

　最近ＴＶで熱中症のニュースが多く、特にお婆ちゃんみたいな年齢が上の人と、僕たち子供は気をつけなくちゃいけないんだって。
　だから手紙を書きました。

　お婆ちゃん、しっかり水分補給してね、僕もだけど。
　特別喉が渇いていなくても、小まめにスポーツドリンクを飲むんだよ。
　ケチらないで、エアコン点けて、上手に対策をしようね。

　暑さはまだまだ続くみたい、体調管理に気をつけよう。
　次はいつ会えるか分からないけど、遠いから順番に行くんだって。
　良かったら、お婆ちゃんからも遊びに来てね。

　僕は学校が忙しくて、なかなか遠出は出来ないから。
　では、まずは暑中お見舞いまで。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　航より

　△▼△▼

　航くん
　ご丁寧に暑中のお見舞いをいただき、御礼申し上げます。
　そちらは暑いようですね、こちらはとても快適です。

　ご心配ありがとうございます、心優しいのですね。
　お手紙をいただけて、婆ちゃんはとても嬉しかったです。

　さて帰省の件ですが、お盆にはそちらへ戻ります。
　詳しいことはママとパパがよく分かっているので、航くんはお仏壇の扉を閉めてください。

　これは重要な役割ですから、よろしく頼みましたよ。
　婆ちゃんは死んでいます、だから暑さも距離も感じません。
　ご安心ください、元気です。

　いつでも祈ってくだされば、婆ちゃんに届きます。毎日楽しそうですね。
　婆ちゃんにはちゃんと見えています。

　夏休みは家族で目一杯、楽しく過ごしてください。
　また夏の疲れには、くれぐれもご注意ください。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　婆ちゃんより