可可の興味は恋愛?

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次の日のすみれは全てが上の空だった デート…その単語だけがぐるぐると頭の中を周回してはすみれの感情を掻き乱した 可可の姿が見える度に視線を逸らし、気になってまた視線を送るを繰り返した そんなすみれの気持ちをしらない可可はいつも通り千砂都やかのん、恋と楽しく談笑していた モヤモヤする気持ちを抱えたまま午前、午後と授業が終わり部活の時間になるまではそう長く感じなかった 可可と関わらないよう避けていたが練習の時間となれば話は別だ 部室で練習着に着替えていつもの屋上へと集合する 「よーし、じゃあ今日も練習始めるよー!すみれちゃん、恋ちゃん、私は個人メニューでかのんちゃんと可可ちゃんは2人で柔軟をしてから〜…」 千砂都が今日の予定について話していたが右から左へと流れるように通り抜けていく その場にいるだけで内容は何も入ってこなかった頭の中は土曜日のことでいっぱいだ (土曜日は可可とデート…本当にデートなのかしら……でも、2人きりからデートって…いやいやいやそんなことないったらないわよすみれ…) 恋愛を見せるなんて些細なことのようにもう忘れていた 土曜日は遊びに行くわけでも、ましてやデートというような用事では無いのにも関わらず、すみれを2人きりで遊ぶ=デートということだけが混乱させていた 「で、えっと…むむ、すみれちゃん?聞いてるかな?」 はっと顔を上げると千砂都含め全員がこちらを見ていた 当然、話を聞いていなかったし突然声をかけられたすみれはすぐに動くことも声を発することも出来なかった 「あ、ごめんなさい……聞いてなかったわ……」 「すみれさん、体調悪いようでしたらこちらはおやすみしますか?…」 恋が心配そうにそう言った 「ちょっとぼーとしてただけだから大丈夫よ」 何とか取り繕ってそう答え、また初めからお願いするわと続けた (今はLiellaの練習の時間ったら時間よ、すみれ!集中しなさい!) そう自分に喝を入れつつ、もう一度、初めから説明してくれる千砂都へと視線を向けた 何とか今日の練習が終わり部室へと戻る途中、先に戻ったはずの可可とかのんがなにか話しているの見かけた 少し離れたところからだったので会話の内容までは分からなかった 練習についての相談かもしくは昨日の…恋愛の…… 気になるが今は考えずにいよう、そう心に言い聞かせ部室へと急いだ 「かのんさんたちは戻ってきませんね、どうしたのでしょう?」 先程、廊下で見かけてから15分も経っていた 練習終わりのミーティングをする予定だったが2人が戻ってこないのですみれ達は待ちぼうけであった ピロン 「かのんちゃんからだ」 千砂都のスマホを3人で覗き込んだ (ごめん。ちょっと先生から急用を頼まれちゃったから3人も先に帰ってくださりです。) 急いで打ったなのだろうおかしな文書になっていた 「あれれ…じゃあ今日は解散だね」 「頼まれ事じゃあ、しょうがないったらしょうがないわね」 「では帰りましょうか」 3人で部室を出て歩き始めてすぐ千砂都がバイト先からちょっとお呼び出しがと言い残し走っていった 「なんだか2人というのは久しぶりな気がします」 にっこりと笑顔を浮かべながら恋が横に並んだ 「そんなことないんじゃないかしら?」 「いえ、なんだかわくわくしてしまいます…ふふ」 「なによ…おかしな恋」 たわいもない会話をしながら2人は正門をくぐり学校を後にした
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