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別れ際に恋から少し寄りたいお店がありましてと言われ一緒に行くことになった
駅のすぐ近くの喫茶店で可可から美味しいので行ってみてクダサイ!と言われたのだとか
「んん〜ここのいちごパフェは可可さんの言っていたとおり美味しいです」
幸せそうにパフェを頬張る恋を見ているとデートやら恋愛やらを忘れられた気がした
「大きさも盛り付け方も綺麗で映えるわね…何よりも美味しいったら美味しいすぎるわ」
写真をSNSにあげつつパフェ堪能した
「今日はありがとうございます、私のワガママに付き合っていただいてしまって…」
「いいのよ、恋から誘われるなんてレアだからいくらでも付き合うわよ」
帰り道の延長線上かのように楽しい時間が過ぎていった
2人ともに食べ終えると恋が少し真面目な顔でこちらへと視線を向けた
「さて、すみれさんなにかあったのですよね?私に話してみてはいかがでしょう?」
その言葉を聞いて相談するべきか否か悩んだが色んな意味で人に話すの恥ずかしいと感じた
「本当になんでもないっないわよ」
バレない程度の作り笑いを浮かべそう答えた
「私では力になれませんか?…やはりかのんさんか千砂都さん、可可さんではないと…」
そういうと恋はうつむいてしまった
恋が心配をしてくれているのはわかっているが打ち明けるのはすみれには難しいことだった
自分のことだとダメならば友達のことにすれば、それならば恋に話しても…
このままお店を出て別れてしまうのも恋に悪い気もしていたし、あえて少し嘘を交えて話すことにした
「わ、私ではないのだけど…知り合いの子が好きな子から恋愛について聞かれて、話しているうちに何故か恋愛を見せることになっちゃって…」
相槌を打ちながら恋は聞いてくれた
こんなこと相談されても困るんじゃないかとも思っていたすみれは徐々に心の内をさらけ出すように詳細を恋に話していく
「それで今度、2人で出掛けるこたになったったらなったわ、デートみたいと思ったら心臓がドキドキしてそのことしか考えられなく…………なったみたいなのよ……恋はどう思うかしら?」
少し唸りながら恋は深く考え込んでいるようだった
こんなことをいきなり相談、ましてやすみれの知り合いの話であればさらに悩んでしまうだろうか
ドキドキと鼓動がうるさかった、自分のことだとバレないか?なんと答えてくれるのか?変な人だと思われていないか?
恋のことを信頼していない訳では無いが…数分間の沈黙が臆病な自分を呼び起こし、すみれは少し震えていた
「わたくし自身、恋愛というものをしたことがないのですが…その方はどうしたいのでしょうか?」
不意に予想外の言葉にすみれは困惑した
「どうしたい?……」
「はい、恋愛をというの約束をしてしまっているので何かしらのアプローチが必要なのかと思いますが…お2人で出掛けた際、その日はデートということで楽しみたいのかそれとも約束したことを守ってその日を終える……など色々あると思うのですが……」
正直なところすみれには答えが出せなかった
話の中では他人に置き換えているとはいえ自分のことであることに変わりがない
可可とデートを楽しむ?彼女がどう思っているかも分からないのに1人で舞い上がっても…だからといってきっかけはどうあれ好きな人と出かけることが楽しくないわけがない…
答えが出ないまま、同じ場所をループのように考えが回り続けていた
そしてまた、短い沈黙が2人を包んでいった
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