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「私には分からないわ…だってあの子がどう思うかが1番気になるもの…」
考え込んでいるうちに勝手に口から言葉が漏れてしまっていた
はっと我に返り顔を上げると
恋は初めからわかっていたかのように微笑んでいた
「でしたら、可可さんが最大限楽しめるようにプランを組んでみたらどうでしょうか?」
「な、なな!?可可のこととは言ってないったら言ってないわよ!?」
自分から暴露した挙句に全く動揺を隠せていないのだからもう答えたも同然だ
このまま自分の事として相談すべきかシラを切り通すか悩む間もなく恋が続ける
「あ、すみません…可可さんとすみれさんとの事でないというていのお話でしたね」
天然な一言はもう始めからバレていて気を使わせてしまっていた事実を突きつけてきた
はぁ…とため息を着いた
「もういいわよ…恋、この話の最初からわかってたんでしょ?」
「はい…」
俯き気味な恋を見てすみれは少し申し訳なく感じた
もういっそのこと、吹っ切れてどうしたらいいか相談しようと心に決めた
「ねぇ…恋ならどう思う?私も初恋って言ったらいいのかしたら?…もうどうしたらいいか分からなくて…」
「当日はデートを擬似体験してもらうという形ではどうでしょうか?恋愛を見せるということになるとカップルの方をお呼びするか…もしくは擬似デートをして恋人気分を味わってもらえたら可可さんも納得されませんかね?」
デートを…疑似体験……擬似デート!?
一瞬、脳が停止してしまったが理解をした途端に心が跳ね上がるように気持ちが昂って声を荒らげてしまう
「擬似デート!いいったらいいわね!それなら可可とデートをしても大丈夫ったら大丈夫だわ!」
「す、すみれさん、ここはお店なので落ち着いてください」
周りからの視線が少し痛かった
それでもデートを楽しみたいと可可との約束を果たしたいという気持ちを同時に解消できる活路が見えた気がした
「ごめんなさい…でも、なんだか気持ちが楽になったわ…!」
「ふふ、お役に立てたのなら良かったです」
「ねぇ…もう少しだけいいかしら?…デートコースについても意見を欲しくて…」
なんだか気恥ずかしかったが、もうここまで話してしまったのなら最後まで恋に相談しよう
「わたくしはデートや恋愛というものには疎いのですが…」
「大丈夫ったら大丈夫よ…私も同じなんだから」
わかりましたと言ってくれた恋には色々と感謝しかなかった
そこから2人の作戦会議は外が暗くなって恋の門限ギリギリまで続いた
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