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可可との擬似デート
あれから数日が過ぎていた
そして、週末が訪れ
恋と2人で考えて練り上げたデートプランを試す日がやってきた
「はぁ…ドキドキしてきたわ……」
駅前で朝10時に待ち合わせだったが家にいるのもソワソワしてしまって落ち着かなったからかなり早めに集合場所へ着いていた
何度も鏡で髪型やメイクを確認して…周りを見渡してを繰り返してしまう
可可のことを思いながら今日の準備をしてきたからこそ失敗は出来ないししたくないという気持ちがすみれの緊張感を増幅させていた
「あと…5分ね……」
時計も5分起き…それ以上に確認してしまっていた
「…お、お待たせしました」
「可…可!?」
突然、声をかけられて驚いて顔を上げたすみれはさらに驚かされる
いつもよりもお洒落な服装に身を包んだ可可が少し恥ずかしそうに立っていた
そのあまりの可愛さに見とれてしまい何か反応することすら忘れてしまっていた
「デートの擬似体験なのデスよね!?な、なら何か言いやがれデス!このスットコドッコイ!」
痺れを切らしたかのようにそう言われ
慌てて声を出したので本音が口から滑りでてしまった
「へ?あっその…可可が可愛くて見とれてしまったわ…」
その言葉を聞いた、可可は顔を赤く染めて固まっていた
擬似体験だというのにちゃんとお洒落をしてくれて嬉しくてたまらない気持ちと恥ずかしがる姿が愛おしくて、もう少し困らせたくなってしまった
自分も顔が赤くなっていたと思うが平静を取り繕った
「……可可…今日も可愛いわよ」
「な、ななな何度も言うなデス!お世辞というやつなのは分かってるデスが恥ずかしいデス…」
耳まで赤く染めながら可可はそっぽを向いてしまった
たくさんの人が行き交う街の中で2人だけの時間が止まっているかのようだった
そんな時間が心地よくも感じた
一息、ついてから今日という日を動かすためにすみれが口を開く
「ぎ、擬似デートはまだ始まったばかりったらばかりよ!楽しませてあげるから覚悟しなさい、可可!」
「の、望むところデス!」
2人は並んで人波の中を歩き出した
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