記憶

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欲しい本は既に買っていた。発売日は今日ではないのだ。孝司のいつもと違うあの顔を見たら、いてもたってもいられなくて、咄嗟に真帆は嘘をついた。重たい気持ちのまま遠回りしながら家に向かった。 次の日、孝司は学校に来なかった。少しホッとする。しかし、いつも元気すぎる幼なじみの孝司が教室に居ないことが不思議でたまらなかった。 次の日も、次の日も孝司は学校に来なかった。一週間を過ぎた頃、意を決して孝司にあのお菓子を持って行こうと店に入った。 しかし、あのお菓子はあるものの孝司が話していた飾りは付いていなかった。お店の人に聞いても、そんな物は無いと言われてしまった。仕方なく土台となるきんつばを買い孝司の家に向かった。
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