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真帆は、その話を聞いて胸が詰まる思いがした。
「おばちゃん、孝司が降りてこないなら私がそのお菓子持ってく! いいでしょ? 」
孝司の母は、静かにうなづくと小分けに包まれたきんつば二つと冷蔵庫からバニラアイスを取り出し、手渡してくれた。真帆は急いで二階に駆け上がると部屋のドアを開けた。
孝司はベッドに寝転んだまま顔を腕で覆っていた。
「ごめん、私知らなくて。ごめん!! 」
孝司はゆっくり起き上がると真帆の前に座った。
「もう…… いいよ。 こればっかりは時間が経たないとな…… 」
真帆は、きんつばとバニラアイスを孝司に差し出した。
「これ、きっと美味しいから一緒に食べよ!思い出の味。私じゃ違うかもだけど、とにかく食べよ! 」
孝司は真帆からきんつばとバニラアイスを受け取ると、きんつばの上にアイスを乗せた。二つ分乗せ終わると真帆に手渡してくれた。
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