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「せーのっ!! 」
掛け声と共に二人で齧り付いた。
「あれ…… 。あんまり美味くない…… 」
孝司の予想外な言葉に真帆は食べる手が止まった。横目でさりげなく孝司を見ると、潤んだ瞳でぽつりぽつりと話しだした。
「俺……、じいちゃんと楽しかった思い出も一緒に、味も記憶に刻んでたんだな 」
真帆は泣き笑いしながら食べる孝司を見ながら、残りを口に放りこんだ。
「どんなに美味しいものも、美味しくないものも大好きな人と食べれば、その全てが思い出になるんだね 」
真帆は独り言のように呟いた。
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