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「僕はフランソワーズに何も貰わなかったわけじゃない。解毒をしてもらおうと彼女の家に駆け込んだ時、彼女の焼いたパンを食べた。これは媚薬以上の効果だったんだ。パンを食べた時くら僕が彼女に夢中には間違いない」
スティーブン王子が話した。フランソワーズは顔を真っ赤にしていた。
「いいね?ゾフィー嬢。僕がフランソワーズを選んだ理由は色々あるが、媚薬を盛られて不当に意思を操られたからでは決してない」
スティーブン王子は私をまっすぐに見つめて言った。
「分かりました。本当に申し訳ありません。先ほど、フランソワーズ嬢に助けていただきました。彼女は私の身代わりになってくれようとしました。短刀で刺されてしまいそうになったのは、あの男たちがフランソワーズ嬢を私だと思ったからです。彼女はスキルで私そっくりになって見せて、私への攻撃をかわしてくれたのです」
「ゾフィー!!」
そこにブルク家当主である父のジャイルズが姿を現した。ロバート・クリフトン卿あたりが知らせたのだろう。
「無事だったのか。今の話は本当か?」
「はい、本当です。ごめんなさい。私は間違った告発をしてしまいました」
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