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王子は私に対しての愛がないと言っていたけれども、「夫の義務は果たす」と言って私の体を大切に扱ってくれた。
これを契約婚というのだろうか。確かに、政略結婚の場合も世継ぎが必要なので、この行為はするだろう。
――あぁ、そういうことなのね。愛のない政略結婚と思えば良いのだわ。
それならば、王子の行動は理解できると私は思った。ならば、最後までしないのはなぜなのだろう?
「君の体はまだきついから、準備が整うまでは」
王子はそっとささやいた。
どこまでも優しいお方だ、私はそう思ってうとうとと眠ってしまった。
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