トラブル ロバート・クリフトンSide

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 私はぐっすり寝ていたところを叩き起こされた。  ふかふかのベッドから体を引きずるようにして、激しく叩かれるドアの方にフラフラ歩み寄った。この状況では、非常に困った問題が起きたらしい。  ドアを開けると、テリーが立っていた。腹心の友でもあり、ウィルソン子爵家の子息のテリー・ウィルソンとは、スティーブン王子と私を含める3人で同じ学校に通う学友だった頃からの付き合いだ。  サラサラのブロンドヘアをかきあげ、テリーは眉間に皺を寄せて、状況を書き留めた紙を私に渡してきた。テリーによると、ハンルソン・コート宮殿と呼ばれるブルク家で何か問題が起きたようだ。 「どうした?」 「まずいことが起きたようだぞ。スティーブン王子が発表した結婚相手の聖女に言いがかりのようだ」 「まぁ、放火もされたし、我こそはと王子の結婚相手の座を狙っていた貴族令嬢とその親にとっては、目障りなんだろうな」
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