大法官 ロバート・クリフトンSide

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 私は夕暮れの美しい空を眺める余裕もなく、私とテリーはニーズベリー城の門を叩いた。門番はすぐに中に入れてくれた。そのままクリフトン家で私の一番のお気に入りの馬である、黒い毛並みが力強く美しい牝馬のメリーランで、城まで続く橋を一気に駆け抜けた。  テリーもウィルソン子爵家で彼の一番のお気に入りである白馬に乗っていた。    馬番に馬を預けて、すぐに城内に駆け込むと、スティーブン王子とフランソワーズ嬢は取り込み中ということで、侍女に待たされた。  私はイライラとして客間で待っていたが、我慢できずに侍女の静止を振り切ってフランソワーズ嬢にあてがわれた部屋に急いだ。  胸騒ぎがする。この後に及んでとは思うものの、二人の中は進展しているのか?という疑念に囚われて焦った。私のフランソワーズ嬢への恋心は秘密だ。  私がドアの外に立っている警護担当の武装兵を一瞥して、無視をしてドアを叩こうとした瞬間に、扉を開けて静かにスティーブン王子が部屋から出てきた。 「王子!緊急事態です」  私は切羽詰まって王子とフランソワーズ嬢に報告せねばと、扉を開けて中に入っても良いか?と仕草で聞いた。
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