大法官 ロバート・クリフトンSide

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「ダメだ。フランソワーズは寝ている。何があった?」  スティーブン王子は私の顔を鋭く見た。 「今朝方、ハンルソン・コート宮殿のブルク家で騒ぎがありました。ゾフィー令嬢が置き手紙を残して失踪されたようです。治安判事が既に呼ばれました。置き手紙には、王子を手にいれるために第二聖女が媚薬を王子に盛って、不正に我が国王子を我がにしようとする悪女フランソワーズの横暴と言ったことが書いてあった。それを暴いてくれと、死を持って告発すると」 「なんだと!?」  スティーブン王子は目を見張って、小さく叫んだ。 「私に媚薬を盛ったのは、ジェノ侯爵家のエリーゼ令嬢だ。フランソワーズは解毒してくれた」 「しかし、媚薬が残って症状を発している状態でフランソワーズ嬢にお会いになったことは間違いありません。媚薬が効いて、フランソワーズ嬢に恋をされたと勘違いされたとことはないですか?」  テリーは思い切ってスティーブン王子に疑念を指摘した。スティーブン王子は即座に否定した。
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