秘密通路で脱出 スティーブン王子Side

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 天国から地獄とはこのことだ。一瞬で状況が一転してしまった。  僕は自分の恋心を伝えるつもりが、彼女をまた抱いてしまった。最後まではしていない。キスはたくさんした。  ――なんて可愛らしいんだ。  彼女の心を自分に引き寄せたい。その一心でいるが、自分の欲が止まらない。  彼女が眠ってしまった後に、部屋の扉の外が騒がしいので出てくると、ロバートとテリーがいた。ロバートの赤毛は今朝見た時と同じように寝癖がついている。いや、今朝よりもっと酷い寝癖だった。テリーはサラサラのブロンドヘアだが、髪は落ち着いているが、呼吸が荒く、二人とも興奮状態のように見えた。 「王子!緊急事態です」  「扉を開けて中に入っても良いか?」と仕草でロバートに聞かれたが、私は即座に断った。  ――だって、フランソワーズは服を着ないでベッドの中で寝ているから。
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