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フランソワーズの顔を見ると、何が必要か分かっているようだ。僕らは何度も何度も獣や魔物から身を守るために一緒に戦ったことがある。フランソワーズがスキルを発動して、僕らは城の窓から一気に飛び降りた。
フランソワーズのスキルが落下速度を和らげてくれた。
走るんだ!
美しい夏の薔薇が咲く庭園を僕らは一気に駆け抜けた。回廊庭園の先の東屋が見えてくると、僕はそこにフランソワーズを連れ込んだ。秘密のボタンを押すと、階下に秘密通路が現れた。ここにくるのは久しぶりだ。
「行こう!」
この通路を抜けると、市街にある貴族邸宅に出る。僕らは走った。僕はフランソワーズを守るのだ。彼女の無罪を法的に示して、陥れようとする敵から守らなければならない。
「ゾフィー令嬢は生きているわ」
フランソワーズは走りながら、息を切らして僕に言った。
「私のスキルが不十分で、どこにいるかは分からないけれど、生きているのは分かります」
「よかった!」
僕はそれを聞いて安堵した。ゾフィー令嬢が生きていてくれなければ、ブルク家が狂ったように逆上するのを抑えきれないと思っていたからだ。
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