失って フランソワーズSide

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 スティーブン王子はダニエルと呼ばれた法廷弁護士に対して、状況を詳しく説明した。    ◆◆◆ 「つまり、最初に毒を盛った人に認めさせる必要があるということですね。それはエリーゼ嬢だと」  ダニエルはテキパキとメモ帳のようなものに書いていた。 「そうだ。敵はジットウィンド枢機卿とブルク家当主なんだ」 「わかりました、できる限りの事をしましょう。事実確認の後、証言をしてもらえるかの確認をして、ジットウィンドをねじ伏せられる判例を探しておきましょう」 「ありがとう!」 「ありがとうございます」  スティーブン王子はお礼をいうのと、私がお礼を言うのはほぼ同時だったが、そこにロバート・クリフトン卿とテリー・ウィルソン卿がやってきた。 「おぉ、お二人ともお久しぶりです」 「ダニエル!」 「僕の最愛の人のために、ロバートとテリーも協力してくれている」
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