死と希望 フランソワーズSide

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 目を開けると、可愛らしい男の子が目の前にいた。2歳から3歳ぐらいだろうか。色とりどりの花を両手にいっぱい抱えている。 「リジーはお母様にお花を摘んできたの」  ――リジー?  ――お母様?  私はため息をついた。  私は刺されて死んだはずだ。周囲を見たところ豪華な宮殿のようだ。私はここで何をしているのだろう? 「お父様を探しているんでしょう?あっちで見ました」  リジーと言う男の子は両手が花でふさがっているので、首を振って教えてくれた。 「ありがとう。お花、素敵ね」  私は感謝して受け取った。リジー付きと思われるお付きの侍女が慌てて走ってきた。 「王妃様、リジー様がお花をお母様に摘んであげたいとおっしゃるのでお庭で一緒に摘んでいたのですが、申し訳ありません」  私はじっと男の子を見つめた。  ――男の子に見えるけれど、この子は女の子ね?  ――ここがどこだか分かったわ!20年もしないうちにこの子は女王になるお方かしら。ゾフィー令嬢を救おうとして刺された私は、ジットウィンド枢機卿に罠に嵌められて処刑された王妃になったと言うことかしら。
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