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スティーブン王子がすぐに追いかけて行った。ロバートとテリーもだ。私はあっけに取られたが、中央刑事裁判所に行かなければならないことを思い出して、急いで判例を書き込んだ紙の束をまとめて馬に乗ろうとレンハーン法曹院内を走った。
愛馬に乗り、通りを中央刑事裁判所に急いで進めようとした。しかし、事件があったのだとすぐに気づいた。短剣を突き立てられたフランソワーズ嬢が崩れるように揺らぎ、その背中に長弓の矢が刺さるのを見た。悲鳴が起きて群衆が揺れるように逃げようとした。
スティーブン王子が「愛している!」と叫んで、血だらけで泣き叫んでいる姿を見た。私はそのまま、逃げ惑う群衆に驚いた馬がいななき、前足をあげて私を振り落としたのに気づいた。だが、頭を地面で強打して吐きそうな強烈な痛みを感じた次の瞬間に誰かに踏まれて真っ暗な闇に堕ちた。
私は法曹家になりたかった。いや、なったのだ。でも……。
◆◆◆
目を開けたら、法曹院にいた。
「王がまた離婚したいとおっしゃっている。しかし、君は王妃を亡き者にできる方法があると言う」
「えぇ、姦通罪で」
私の口からとんでもない言葉が出た。
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