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ブルックと私とエリーゼ嬢は、真新しいテーブルを前にして、お皿に焼きたてのパンが乗せられて運ばれてくるのを見た。
大麦のパン?
これは何のパン?
フェリックス・ブルックはアッシュブロンドの髪を後ろに一つにまとめて縛っていて、青い目を輝かせて私の隣に静かに座っていたが、その彼に私はそっと聞いた。
「カラス麦のパンだ。すりつぶした豆も入っているな?豆も見つけたんだな」
「えぇ、全部揃えてくれていて本当に感動したわ。ブルックありがとう」
フランソワーズはエメラルドの瞳を輝かせてブルックに礼を言った。
「美味しいっ!」
「信じられないっ!すごい美味しい!」
私とエリーゼ嬢は声を上げた。何だか幸せな気持ちに、胸の辺りにふんわり温かい空気が入ってきたような心地になった。
「僕がフランソワーズき魅せられたのは、そのパンを食べたときだ」
いつの間にかスティーブン王子が店にやってきていた。「探したよ」と少し不服そうに言ったが、フランソワーズに焼きたてのパンを配られて、やっと顔が綻んだ。
ロバート・クリフトン卿とテリー・ウィルソン卿もやってきて、それぞれ焼きたてのパンをもらった。
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