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私と父の会話に割って入るように、ロバート・クリフトン卿が父に報告をした。衝撃の重要事実の報告だった。
「ゾフィー令嬢を狙っていたのは、ジットウィンド枢機卿の依頼を受けた悪党どもでした。捕らえた二人が白状しました」
ロバート・クリフトン卿が静かに伝えた。
――私を狙ったのはジットウィンド卿?
「さっきはリーズ城で逆上してすまなかった」
ロバート・クリフトン卿は胸を張って「いえ、大丈夫です」と私の父に言った。父は素直に謝罪した。だが、自分の娘が殺されるところだったと知って、青ざめた様子でよろよろとそこにあった椅子に座り込んだ。
「どうぞ。よろしければ」
フランソワーズは父にも焼きたてのパンとコーヒーを出した。父は穴が開くほど褐色の髪に薔薇色の頬をしたフランソワーズの顔を見て、コーヒーを一口飲んだ。目を瞑った。そして深くため息をつくと、パンを一口食べた。
「うまいっ!なんだこれは」
父はハッとした表情になり、残りのパンを味わうようにして噛み締めて食べた。
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