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「ジットウィンド枢機卿が、故意に王妃を処刑に追い込むために、証拠を捏造したことを告発します」
あたりは水を打ったように静まり返った。彼が王妃を処刑に追い込んだのは周知の事実の状態だったが、噂レベルで今まで証拠がなかったのだ。
私がジットウィンドに乗り移った時に書いた手紙のことだ。裁判長が静かに読み上げた。
「私、ジットウィンドは、王妃を罠にはめました。嘘の証拠を捏造しました。姦通罪を王妃が犯してしまったかのように、嘘の手紙を私の手で書きました。私は愚かで許されない罪を犯しました。どうぞ、私を処刑してください」
ジットウィンド枢機卿のサインを、先ほど提出された土地法違反を行った時の彼のサインと見比べている。シーリングスタンプも全く同一であることを確認された。
法廷はシンと静まり返っており、裁判長は厳し表情でジットウィンド枢機卿を見つめた。
「な、な、なぜそれがここに?」
ジットウィンド枢機卿は真っ青な顔になり、油汗が額に吹き出てきている。
「これはあなたが書いたのですね?ここにあるサインとシーリングスタンプはあなたのものだ。筆跡もあなたの筆跡と一致している」
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