恋 スティーブン王子Side

3/5
前へ
/207ページ
次へ
 彼女の母親は良い病院に転院させた。最近は修道院の取り壊しが進み、都市病院の整備を進めている中で、薬種商協会もできた。聖女を国家が認めているのは、スキルを的確に王の内科医も含めて判断する必要があるからだ。悪質な薬や医師や、勝手に医師を名乗るヤブ医者からも民を守る必要があるからだ。  僕とフランソワーズの甘い婚約期間は間もなく終わる。新婚時代に突入する。その前に僕の気持ちをフランソワーズに正式に伝えたいと思っているのだが、彼女はどうも僕に気持ちがないようだ。どう僕を愛してもらえるかを悩んでいる。  愛らしい彼女と過ごすのは最高だ。一緒にいてリラックスしているが、不意に彼女にドキドキする毎日を過ごすのは夢のようだ。  第一聖女ヴィラに対する気持ちはすっかり消えた。彼女は大事な友達には変わりがないが、僕の目の前にいるフランソワーズだけで僕の胸には幸せが満ちる。  ジットウィンド卿が投獄されたあと、証拠となる過去の手紙の発見ですっかり意気投合したダニエルとフランソワーズがニーズベリー城でお酒を飲んで乾杯していた。
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!

416人が本棚に入れています
本棚に追加