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綺麗な男性が横で泣いている。大粒の涙をこぼして顔をぐしゃぐしゃにして、声を殺して泣いている。でも、堪えようとしても声が漏れ出てしまうようだ。
眩しい太陽の光が彼の涙の煌めきを私の視界に切なく訴える。風が吹き、生い茂る木々の間を吹き抜ける。足元のほんの先には崖があり、遥か下には隣国の豊かな街並みと雄大に広がる葡萄畑や小麦の畑の両方が見える。
私たちは崖の先っぽで、２人だけで座り込んでいる。私たちの周りには人っこひとり見えない。
嗚咽が微かに聞こえてきている。肩も震えていて、彼が地面に膝をついているせいで彼の左手が地面につき、その手で涙を拭おうとするから顔に少し泥がついている。
それでも彼は美しかった。
私はそばにじっとしている。彼のそばに座りこんで彼の慟哭がおさまるのを待っている。
私も泣きたい。
切ない。
人が泣くのを見るのは辛い。
分かっている。それだけでこれほど辛いわけではない。
きっと、私が彼を好きだから。
言葉にしてはならないほど好きだから。
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