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――えぇっ!?私を第一聖女と間違えている?
――怖い。この状況が……怖い。
私は驚いてビクッと体を震わせて、逃れようとした。でも、王子は私を抱きしめたまま私の唇に温かい唇を重ねてきた。私は稲妻に打たれたような衝撃を受けて、体が固まってしまった。
大好きな人にキスをされると逃げられない。だめだと分かっているのに、私は思わず応えてしまった。
「君がずっと忘れられないんだ……」
彼は泣きながら私の瞳を見つめてささやき、私を抱きしめたまま私の首筋に口付けをし始めた。
あぁっんっ
私はどうしたら良いのだろう?この媚薬は解毒が効かない。私の力では解毒できないようだ。
「僕から逃げないで……お願いだから、一度でいいから君を抱きしめさせて。最後までしないから。お願い」
彼は私にそうささやいて、私の服を脱がせ始めた。
なぜこうなるのか分からない。彼は泣いている。
「聖女の君はいつもこういうエプロンを上につけているよね……」
第一聖女から頂いた私のエプロンは、第一聖女のものと瓜二つだ。王子は完全に私を第一聖女と間違えている。
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