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「君はその……僕のことが好きではないでしょう?」
衝撃的な言葉を王子は私に告げた。好きではない人に自分の初めてを捧げる人がいるというのだろうか。
私はむすっとした表情で黙り込んだ。
「怒らせてごめんなさい。責任を取る!契約婚をしよう。ほらっ!僕は独身だとあれやこれやと結婚を陛下に勧められて、周りから媚薬を盛られたりして大変だ。君なら僕の契約婚の相手にピッタリだ」
『私』から『僕』に代わり、王子は急に最高の案を思いついたと言わんばかりにイキイキとした表情をし始めた。
「……契約婚って何でしょうか?」
私は戸惑いのあまりにベッドから落ちそうになり、床にヘタリ込んだ。
「ほら、こっちに来て。君の全てを僕はもう見たから、君なら安心できる」
私は再びベッドの上に王子にひっぱりあげられた。
――この人は何を言っているのだろう?
「何が安心できるのでしょう?」
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