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「三つ、決してお互いの気を惹こうとかせず、互いの愛を求めないこと」
……
王子の条項は17まであった。
「すみませんっ!私は朝から何も食べていませんので、食事をいただきたいのですが」
私は夢中で嬉しそうに話し続ける美しい王子を遮った。
運ばれてきた食事にはワインがついていた。私は一気にワインのグラスをあおった。
お腹が空いていたので、クラクラと来た。
「君の夫は僕だ。いいね?陛下に報告してくるよ!おかげで媚薬の解毒は完了したようだ!ありがとう!君はここでしばらく食事をして休んでいてくれる?また戻ってくるから」
王子は喜びいさんで、別邸から飛び出して行かれた。窓から見下ろすと、美しい花々が咲き誇る庭を王子が駆け抜けて行き、従者が後を追っている姿が見えた。馬に飛び乗った王子が別邸の門が開くのも待ちきれない様子で飛び出していくのが見えた。
何がどうなってこうなったのか分からない。最悪だという気分になったが、よく分からない。
契約婚って何!?
愛のない結婚!?
私の体は初めて男性に触れられて、妙な感じだった。
この日、私の夫は契約婚の夫と決まったのだ。その晩には国中に第二聖女と王子の結婚が発表された。
一瞬ゾフィー令嬢の事が頭をよぎったが、3ヶ月後に挙式だと告げられて、慌てふためいた私はすっかり忘れていたのだ。
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